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病態

カリウム管理の重要性

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「今回カリウムが高かったですね、食事気をつけてください」
結構言われたことある患者さんが多いんじゃないでしょうか?
そもそもなんでカリウムが高いといけないのか、紹介していこうと思います。

カリウムの働き

カリウムは心臓や筋肉の動きを司る重要な役割を担っています。
カリウムが高すぎるとて手指のしびれ、全身倦怠感、不整脈などの症状が現れ、最悪の場合心停止を招く原因になります。

なぜカリウム(K)が高くなる?

腎臓が元気な方は、尿中に余分なカリウムを排泄し、体内のK濃度を均一に自動調整してくれます。
一方、透析患者さんは尿量が少なく(または無尿)、尿中にカリウムが排泄されにくいため、血液中のカリウムが高くなりやすいです。
カリウムを多く含む食品(生野菜、果物、芋類、干し物)や蛋白質の取りすぎにも注意が必要です。
また、胃腸などの消化管出血でもカリウム値は急激に上がります。食事内容の変化や内服忘れの確認、腹痛の有無などによっては消化器系の精査が必要となります。

大正富山医薬株式会社 透析導入マニュアル2014版 抜粋

カリウムの基準値

透析患者さんのカリウムの基準値は3.5~5.5mEq/Lとなっています。
ですが透析不足やカリウム吸着薬の内服忘れ、K含有食品の過剰摂取などで簡単に6mEq/Lを超えてくることがあります。
死亡リスクに直結する値のため、定期採血などで見逃しのないようにしたいところです。

カリウム吸着材

高K血症が続く場合は、食事内容の見直しや、K上昇の原因となっている内服薬の中止、カリウムを吸着し、便や尿とともに体の中に出す働きのあるお薬を使用することになります。ここではよく使われる2種類を紹介します。

ポリスチレンスルホン酸カルシウム(カリメート®、アーガメイト®)

腸内のカリウムイオンと本剤のカルシウムイオンを交換し、カリウムを体外に排泄させることにより、血中のカリウム値を低下させます。この薬は便秘を起こしやすいです。

ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(ケイキサレート®)

腸管内でカリウムイオンとナトリウムイオンを交換することで高カリウム血症を改善します。ナトリウムを放出し、浸透圧により便に水分を含ませるため、便秘を起こしにくいと言われています。(便秘にならないわけではありません)

カリウム制限のポイント

カリウムは水溶性のため、野菜や芋類は細かく切り水で十分洗い、水にさらすか茹でこぼす。(調理前の1/3~1/5に減少すると言われています。詳しいお話は管理栄養士さんに聞きましょう!)
野菜の茹で汁や果物の缶詰は豊富にカリウムを含んでいますので、摂取を控えたほうがいいです。
「食べるな」ではありません。食べてもいいです。食べすぎや食べる頻度を工夫することが大事です。

透析食.com カリウム制限の工夫より引用

カリウムの多い食品を摂りすぎてしまった時には

吸着剤を多めに飲みましょう。足りなくなったら追加で処方してもらえばいいんです。
処方箋には用法や用量が細かく定められていますが、環境に合わせて薬の量を増減させることは非常に大事です。

災害時用にK吸着剤ストックを

これは患者さんによくお話していますが、カリウムの吸着材は多少大目にストックしておきましょう。
災害時には数日間透析が受けられない場合も想定されます。カリウムは命に直結します。K吸着剤が生命線となる可能性も考えられます。

意外と盲点!?低カリウム血症に注意!!

昨今は長時間透析や高血流透析などの高効率透析を行なっている施設が散見されるようになってますね。
カリウムに気をつけている患者さんや、低栄養状態となっている患者さんは、容易に透析中に低K血症が引き起こされてしまいます。
循環器系合併症を持つ患者さんの低K血症は、より不整脈を誘発することも分かっています。
そのため、病院によっては
・返血時にK補充液を使って返血を行う
・院内で野菜ジュースを販売し、積極的に飲んでもらう
など色々な対処をしています。

まとめ

カリウムは高くても低くても不整脈を誘発したり、心臓突然死を招く可能性があります。
調理法の工夫でカリウム軽減を!
薬はある程度ストックし、柔軟に飲む量は変えて!
透析前の高K血症には誰でも気付けます。透析後の低K血症が盲点になります。
効率評価の時は、後のカリウムの値を確実に確認しましょう。

  • この記事を書いた人

koch

CE Worksのkochです。全国の透析患者のみなさんや医療従事者のみなさんに、誰が見ても理解できる内容に拘って情報をお届けできるよう努力しています。 また、在宅透析支援も行っています。在宅透析の導入~管理まで、支援する環境が整っておりますので、お話だけでもさせて頂ければ幸いです。

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