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TMP (膜間圧力差)について

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OnlineHDFの普及によりTMPの監視の重要性が増してきています。そこで職場でもよく聞かれるTMPについて書いてみたいと思います。

TMPの定義

TMP = (PBi + PBo)/2 -(PDi + PDo)/2


PBi:血液側ダイアライザ入口圧   PBo:血液側ダイアライザ出口圧
PDi:透析液側ダイアライザ入口圧   PDo:透析液側ダイアライザ出口圧

*PBiを動脈圧と表記される方が結構いらっしゃいますが、LDL-A等における動脈圧はポンプ前測定のため陰圧ですし、ちょっと定義がぶれるので血液側ダイアライザ入口圧と表記しています。

PBiは東レだとPD圧、ニプロだとPA圧、日機装だとなんだろう?JMSも??

TMPは陽圧?陰圧?

TMPは陽圧です!!
簡易的にTMP=静脈圧-透析液圧なんてやっちゃうと陰圧になってしまうことが多いため勘違いされがちですが、陽圧です。静脈圧80mmHg 透析液圧100mmHgだと-20mmHgなんて思っちゃう人いますけど違います。PBi >> PBo PDi≒PDoのため、結果的に陽圧になります。
TMPが陽圧だからこそ駆動力となって除水されるんです。陰圧だったら液回路側の圧力が高いわけだから、透析液側から逆濾過でじゃばじゃば血液側に水が入ってきちゃうイメージですよ!!

フィルタの透水性

治療に使うフィルタ(ダイアライザやヘモダイアフィルタ)には Lp(濾過係数)と UFRP(限外濾過率)と言われる透水性の指標があります。
Lp = Vf/(Tf・TMP・A)  (mL/hr・㎡・mmHg)

UFRP = Vf/(Tf・TMP) (mL/hr・mmHg)

でも正直、式はどうでもいいんです。大事なのは単位。時間当たり差圧1mmHg当たりどれだけ除水できるかが大事なわけです。

血液透析では除水量はたかが知れてますので、TMPが問題になることはほとんどありません。しかしOnlineHDFになると普段の除水に加え、補液分を濾過しなければならないため、TMPが重要視されるわけです。

 

TMPが上がるのはなぜ?

フィルタの経時劣化(膜の目詰まり 凝固等)で透水性が落ちてきてしまうため、均等な除水を達成するために圧力差が上がる(TMPが上がる)。TMPの式からわかるように、TMPが上昇する→透析液圧が下がっていくという状況です。
コンソールにTMPが表示されていなくても、静脈圧が一定なのに透析液圧が下がってきている→TMPが上がっている(膜が劣化している)と判断できるわけです。

TMPが上がることで大事な栄養素がガンガン抜ける状態になります。TMPをしっかり理解することで安心安全な透析が行えます。しっかり勉強していきましょう。

  • この記事を書いた人

koch

CE Worksのkochです。全国の透析患者のみなさんや医療従事者のみなさんに、誰が見ても理解できる内容に拘って情報をお届けできるよう努力しています。 また、在宅透析支援も行っています。在宅透析の導入~管理まで、支援する環境が整っておりますので、お話だけでもさせて頂ければ幸いです。

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