臨床工学技士による血液透析業務支援。透析効率や栄養、在宅血液透析など透析にかかわる様々なことを発信していきます。訪問看護の立ち上げもご相談ください。

CE Works Project

OnlineHDF

OnlineHDFにおける条件設定

更新日:

さて、今回はOnlineHDFの条件設定について書いていきたいと思います。
病院さんによっては、一律で同条件でやっているところや、患者さん(症状)によって変更しているところ、様々あると思います。
前希釈法、後希釈法、I-HDF、前&後希釈法(これは全国でも超稀にやっているところがあるらしく、一度だけ何かの資料で拝見させて頂きました。)と様々ありますが、私見を交えて説明していこうと思います。

OnlineHDF概要

OnlineHDFに関しては先日の資料をご覧いただければと思います。
日本の希釈法は95.6%が前希釈法が選択されています。世界的には後希釈法が主流です。しかし、最近は各学会において後希釈法の報告も増えてきているように感じます。

[keni-linkcard url="https://ceworks.info/hd/onlinehdf_305/)"]

OnlineHDFのターゲット

ここではターゲット分子を二つに絞ります。

β2MG

分子量11800da(ダルトン)。節や骨に沈着してしまうと透析アミロイド症を起こし、関節の可動域の減少や痛み・痺れの原因となるというのは昔から言われてきていました。
最近ではβ2MGが掻痒発現物質であるという論文も報告されています。


β2-Microglobulin elicits itch-related responses in mice through the direct activation of primary afferent neurons expressing transient receptor potential vanilloid 1.


Eur J Pharmacol. 2017 Sep 5;810:134-140. doi: 10.1016/j.ejphar.2017.07.007. Epub 2017 Jul 4.

α1MG

分子量33000da。α1MG領域の大きさにレストレスレッグ症候群の原因の物質があるのではないかと言われているため、積極的に除去していきたい物質です。

希釈法と置換液量が及ぼす影響

一般的に、前希釈と後希釈は低分子蛋白除去、I-HDFはリフィリング促進や膜の洗い流し効果によりクリアランスを保つということは、前記事にて紹介しました。
では前希釈と後希釈に絞って、置換液量を上げていってどのようなクリアランス変化を及ぼすかを説明していきます。

前希釈

置換液量を上げれば上げるほど尿素クリアランスは下がり、β2MGクリアランスはやや微増といったところに収まります。
尿素クリアランスが落ちる原因としては、置換液量を上げることで血液が希釈された状態でヘモダイアフィルタに流入、透析液側との濃度勾配が下がるため拡散効率が落ちることに起因します。

後希釈

置換液量を上げれば上げるほど、尿素クリアランスもβ2MGクリアランスも上がります。 尿素クリアランスは、フィルタ流入時に希釈されていないため、拡散効率が落ちない + 水の移動とともに尿素の移動もある程度行われることに起因します。
β②MGは、濾過量が増えることでクリアランスが上がります。また拡散による除去も無視できないため、結果としてクリアランスの上昇が大きくなります。
ただし、後希釈法の場合、フィルタ内で過除水をかけるイメージになりますので、置換液流量は血液流量の30%程度にとどめる必要があります。

アルブミンとα1MGの分画

同一フィルタを用いてのアルブミンとα1の分画能についてです。
下グラフを見てわかる通り、α1MGを積極的に除去しようとした場合、後希釈では急激にアルブミン損失が増えるため適しません。
α1をターゲットにする場合は前希釈の大量置換が適しているとわかります。

患者QOLの向上を目指した21世紀の透析療法生物学と人口腎の融合によるアプローチよりデータ引用し、自作(笑)

OnlineHDF条件設定まとめ

症状やターゲットによりしっかり条件を設定しましょう。

掻痒症や透析アミロイド症に対しては後希釈OnlineHDFにてβ2MGをターゲット(アルブミン値を定期的に追って、アルブミンが下がっていかない希釈量設定を!!)

レストレスレッグ症候群には前希釈OnlineHDFにてα1MG領域をターゲット。フィルタを流れる透析液流量が減ることで尿素などの小分子クリアランスが落ちるので注意!

  • この記事を書いた人

koch

CE Worksのkochです。全国の透析患者のみなさんや医療従事者のみなさんに、誰が見ても理解できる内容に拘って情報をお届けできるよう努力しています。 また、在宅透析支援も行っています。在宅透析の導入~管理まで、支援する環境が整っておりますので、お話だけでもさせて頂ければ幸いです。

-OnlineHDF
-, ,

Copyright© CE Works Project , 2019 All Rights Reserved.