臨床工学技士による血液透析業務支援。透析効率や栄養、在宅血液透析など透析にかかわる様々なことを発信していきます。訪問看護の立ち上げもご相談ください。

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腹膜透析

腹膜透析ってどんな治療?

更新日:

在宅血液透析を知らない医療従事者と話していたりすると、「え、なにそれ?腹膜じゃないの?」とよく言われます。別物ですよ。でも腹膜透析もとてもいい治療です。今回は腹膜透析の基礎について書いて行こうと思います。

腎代替療法

透析患者さんは導入時に、慢性腎臓病CKDの代替療法として様々な治療法を提案されます(されると思います) 各々の年齢や生活スタイルに合わせて、腎代替療法の中から治療方法を選択する権利があります。また、私たち医療従事者は患者さんに治療方法を説明する義務があります。 腎代替療法には

  • 血液透析(HD OnlineHDF 在宅透析HHDなど)
  • 腹膜透析(PD)
  • 腎移植(生体腎移植 献腎移植)
腎援隊
https://jinentai.com/rrt/tips/1より

腹膜透析って?

血液透析ではダイアライザというフィルタを使って「血液」と「透析液」の間で、水の移動は限外濾過、溶質の移動は拡散(濃度差)を用いて交換が行われます。
一方PDは、自分の体にある「腹膜」と「透析液」を使って血液をきれいにします。自分の腹腔内に透析液を注液し、腹膜を介して水分や老廃物を交換させます。

腹膜透析情報サイト http://www.fukumakutouseki.jp/pd/about.phpより

 

PDのスタイル

腹膜透析PD(Peritoneal Dialysis)にはCAPDとAPDという二つの治療方式があります。

CAPD

CAPD(Continuous Ambulatory Peritoneal Dialysis)は連続携行式腹膜透析の略称
日中に数回、腹腔内の透析液を交換する方法となります。落差を駆動力として廃液・注液を行うため、学校や会社でも可能です。

APD

APD(Automated Peritoneal Dialysis)は自動腹膜透析の略称。主に寝ている間に機械を用いて透析液を交換する方法で、CAPDとは違いバック交換の手間がありません。 昼間は腹腔内に透析を貯めておかないため、腹部の張りが目立たないのは患者さんにとってはとても嬉しいことかと思います。
注液廃液のサイクルを増やすことで、透析効率を上げることが可能です。

APDとは 京阪PDネットワーク
https://www7.kmu.ac.jp/keihanpd/pd_basic_knowledge/4-2/より

PDのメリット

在宅で行う治療がベースのため、患者さんのライフスタイルに合わせた治療が可能 緩やかに透析が行えるため、残存腎機能の保持が可能(個人差あり)
塩分、水分、カリウム制限が血液透析に比べ比較的緩やか

PDにおける合併症

腹膜透析の利便性は優れたものですが、合併症に注意が必要です。大切なことなので今後別記事で詳しくご紹介します。

  • 除水不足
  • 腹膜炎(感染性腹膜炎 無菌性腹膜炎)
  • 被嚢性腹膜硬化症
  • カテーテル関連合併症(トンネル感染 出口部感染 )

PD First

腎代替療法をPDから始め、残存腎機能を保持しつつライフスタイルに合わせて治療を行っていくスタイル。
最近では前尿毒症期からマイルドなPDを導入し、残存腎機能の長期保持など長期視点で快適な治療生活を送れると期待されています。

PD Last

透析の長期化や高齢化に伴い、また心血管系合併症をはじめとする様々な要因により、通院が困難になり入院を余儀なくされるケースが多くなっています。
透析医療の終末期のひとつの手段として、柔軟性が高く身体的負担の少ない腹膜透析を選択する方法が注目されています。

PDまとめ

PDは自分のライフスタイルに合わせて行うことのできる素晴らしい治療です。
しかし適切な管理をしていても腹膜は徐々に劣化し、血液透析に移行せざるを得なくなることも事実です。
PD FirstやPD Lastの選択を含め、PDのメリットデメリットを考えて腎代替療法の選択をする必要があります。

  • この記事を書いた人

koch

CE Worksのkochです。全国の透析患者のみなさんや医療従事者のみなさんに、誰が見ても理解できる内容に拘って情報をお届けできるよう努力しています。 また、在宅透析支援も行っています。在宅透析の導入~管理まで、支援する環境が整っておりますので、お話だけでもさせて頂ければ幸いです。

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